「うつ＝心が弱い」は誤解です。～身体から始まる“うつ”の正体とは～
■ 「うつは心の問題」だと思っていませんか？
「やる気が出ないのは気持ちの問題」
「怠けてるだけじゃないの？」
「気の持ちようでどうにかなる」
——そんなふうに思われたり、自分でもそう感じてしまって、苦しみを誰にも打ち明けられない方がたくさんいます。
特にまじめで責任感の強い方ほど、
「もっと頑張らなきゃ」
「これくらいで弱音を吐いてはいけない」
と自分を追い込んでしまいがちです。
ですが本当は、
うつは“心が弱い”からなるわけではありません。
もっと正確に言えば、心だけの問題ではなく、“身体の反応”として起きている現象なのです。
■ うつの正体は「神経の疲弊」
私たちが普段感じている「気分」や「やる気」「意欲」といったものは、
すべて自律神経と脳内の神経伝達物質の働きによって調整されています。
うつ状態の方は、しばしばこのような変化を抱えています：
- 自律神経のバランスが崩れている
（交感神経が過剰に働いたまま、副交感神経に切り替わらない） - セロトニンやドーパミンといった神経伝達物質の分泌が減っている
- 呼吸が浅く、身体が常に緊張している
- 内臓の働きが弱まり、慢性的な疲労や不調が続いている
つまり、“うつ”とは心の弱さではなく、身体と神経のシステムが限界を超えたときに起きる自然な反応なんです。
■ だからこそ、うつは「結果」なのです
うつの症状は、身体と神経の疲弊の「結果」であって、
決して「性格の問題」や「気持ちの弱さ」ではありません。
たとえば、仕事や家事、子育て、介護などでずっと気を張って過ごしていた方が、ある日突然動けなくなる。
それは、自分を守るために身体が「一時停止」を選んだ状態とも言えます。
言い換えれば、
うつは「あなたがダメだから」ではなく、
「あなたの身体が、これ以上無理をさせないように守ってくれている」サイン。
■ 「心」だけにアプローチしても整わない理由
現代のうつ治療では、薬物療法やカウンセリングが中心です。
それらも重要な選択肢ですが、
身体の状態を無視して「心」だけを整えようとするのは、片手落ちになることも多いのです。
例えば：
- 呼吸が浅いまま
- 内臓が硬く動いていないまま
- 頭が常にパンパンに張っているまま
- 寝ても疲れが抜けないまま
そんな状態で前向きな言葉をかけられても、
心には届きにくいのです。なぜなら、身体が「今は安全じゃない」と感じているから。
■ まずは身体に「安心」を伝えることから
うつの回復には、身体が“安心していい”と感じられる環境と刺激が必要です。
- やさしく触れられる
- 呼吸が深くなる
- あたたかさや穏やかさを感じる
- 無理をしなくてもいいと身体が理解する
この“安心感”が、神経を整えるためのスイッチになります。
■ ご自宅でできる簡単セルフケア：横隔膜をゆるめる
心と神経を整える第一歩としておすすめなのが、横隔膜（呼吸の要）のケアです。
横隔膜が硬くなると、呼吸が浅くなり、交感神経が優位になりやすくなります。
そこで、次のようなシンプルなケアを試してみてください。
● やり方
- 胸の下（肋骨の一番下）に両手を添えます
- 鼻からゆっくり吸って、口から細く長く吐きます
- 吐くときに、手で肋骨が内側にふわっと動くのを感じてください
- 5回ほど繰り返します（がんばらず、気持ちいい範囲で）
これは身体に“今は安心していいよ”と伝えるやさしいサインになります。
眠る前や、お風呂上がりにぜひやってみてください。
■ 当サロンでできること
整体サロンコウノトリでは、
うつを「症状としての結果」と捉え、身体の状態を整えることで神経と心を回復へ導くサポートを行っています。
- 内臓や頭蓋骨の調整による神経負担の軽減
- エネルギーの滞りを解放し、循環を取り戻す
- 緊張していた身体がゆるみ、呼吸が深くなる
- 感じる力が少しずつ戻ってくる
「治そう」と無理に頑張る必要はありません。
ただ、“安全な場”に身をゆだねていただくだけで、身体は回復の方向に向かい始めます。
■ 次回予告：ポリヴェーガル理論で読み解く“うつの3段階”
次回は、うつ状態をさらに深く理解するために
**ポリヴェーガル理論が示す“3つの神経の段階”**についてお話します。
- イライラしていたのに、急に何も感じなくなる…
- 休日になると動けなくなる…
- 人と関わるのがしんどくなる…
そんな状態がなぜ起きるのか？
それは、あなたの神経がそう「判断」しているからかもしれません。
次回もぜひご覧ください。
「不安だけど、誰に相談したらいいか分からない」
そんなときは、LINEで気軽に話しかけてください。
不安や症状のことを、無理に言葉にしようとしなくても大丈夫です。
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